実はWeFi、2025年11月に経営陣が日本を訪れ、東京・大阪・福岡の3都市でセミナーを開催していました。
最近WeFiを知った方だと、
ゆりえっ、WeFiって日本でそんなセミナーやってたの?
と思うかもしれません。
開催されたのは、2025年11月。
11月1日|東京
11月3日|大阪
11月4日|福岡
WeFi側のメンバーが日本のコミュニティに向けて、WeFiの仕組みや金融インフラ、今後の世界展開について話したイベントです。
そして私が今、このセミナーを改めて調べているのには理由があります。
実は私たち夫婦、11月3日の大阪・梅田セミナーへ行こうと思えば行ける距離にいました。
セミナーが開催されること自体も知っていました。
でも、結局ふたりとも行きませんでした。
私の理由はかなり単純です。
そのころの私は、まだ「WeFi」という名前を聞いたことがあるくらい。
しょーへいが何かやっていることは知っていたけれど、今みたいに自分で仕組みを調べていたわけでもなく、正直そこまで熱量がありませんでした。



セミナーかぁ……行こうかな。でもWeFiのこと全然分からないし、まあ今回はいいか。
一方、しょーへいはそのころからWeFiを追っていました。
でも、しょーへいも梅田には行きませんでした。



そのころMaksymさんのZoomセミナーも見てたから、現地に行っても同じような話かなって思ったんだよね。
もともと大勢が集まる会場があまり得意ではないこともあって、そのまま見送り。



つまり、私は興味が薄くて行かず、しょーくんは知ってたけど「Zoomと同じかな」で行かなかったと(笑)



そういうこと(笑)。まさか1年後に、ゆりちゃんが「あのセミナー何話してたの!?」って調べるとは思わなかったけど。
本当にそうなんです。
そこで約1年後の今、「2025年11月、日本でいったい何が話されていたんだろう?」と改めて追ってみることにしました。
調べてみると、来日セミナーで語られていた「日本」と「アジア」の話が、2026年のWeFiの動きとかなりつながって見えてきました。
しかも、Maksym CEOは来日する前から、日本の暗号資産市場についてかなり具体的に発言していたんです。
日本はもう本格展開が始まっているのか。それとも、まだその前段階なのか。
2025年から2026年現在までを追いながら、日本とWeFiの「今どこ?」を見ていきます。
来日セミナーでは何が話された?|東京・大阪・福岡を追ってみる
当時の告知や実際に参加した方の記録を見ると、3都市それぞれで少しずつ違う話が残っています。
東京|500人を超える申込、Maksym CEOも登壇
11月1日の東京。
参加者レポートでは、300名を少し超える規模の会場に対して、開催約1週間前には事前申込が500名を超えていたと記録されています。
予定されていた登壇者の変更もあり、東京ではMaksym Sakharov CEOが急きょ登壇したそうです。
そこで語られたのが、グローバル共通のコンプライアンスだけではなく、その国や地域ごとの法律・規制に合わせる必要があるという考え方。
さらに参加者の記録では、日本で法定通貨まで含むサービスを大きく展開するには銀行や企業を通した展開が必要で、
日本で本格的にサービスを広げるには「10年くらいかかるのでは」という趣旨の話も出ていた
とされています。



えっ、10年!?思ってたよりずっと長い……!
ただし、これはWeFiが「日本展開は10年後です」と公式発表したものではありません。
参加者レポートに残る、当時の長期的な見方として捉えるのがよさそうです。
大阪|「ヨーロッパの次にアジア」という話
11月3日は、私たちが行こうか迷っていた大阪・梅田。
参加者レポートでは、Maksym CEOが当時進めていたヨーロッパでの金融ライセンスについて話しています。
ヨーロッパで規制・ライセンス面の実績を作ることができれば、その先のアジアでもライセンス取得につながりやすくなる。
という趣旨の内容です。



これ、今の私なら現地でめちゃくちゃ食いついてたと思う(笑)
約1年後から見ると、この「ヨーロッパの次にアジア」という話はかなり気になります。
福岡|CEOがZoom参加、「まず欧州・アジア、その先にアメリカ」
翌11月4日は福岡。
Maksym CEOはすでにドバイへ戻っており、Zoomで質疑応答に参加したと記録されています。
そこで出た質問のひとつが、「アメリカのWeFi参加はいつ?」。
参加者レポートでは、金融は規制が厳しい分野なので信用の積み重ねが重要であり、ヨーロッパ・アジアなどの土台を整えてからアメリカへ進むという趣旨で回答したとされています。
ヨーロッパで土台を作る
↓
アジアへ広げる
↓
さらに厳しい市場へ進む
東京・大阪・福岡の記録を並べると、2025年の時点でWeFiが考えていた世界展開の順番が少し見えてきます。
Maksym CEOは日本をどう見ている?|早く制度化したのに、動きづらくなった国


ここからが、今回調べていて私が特に面白かったところです。
私は最初、Maksym CEOの日本に対する見方を、
「日本は暗号資産の規制が厳しいから、展開しにくい」
くらいの話だと思っていました。
でも時系列で追ってみると、もっと複雑でした。
Maksym CEOは、日本を「暗号資産に出遅れた国」と見ているわけではありません。
むしろ、早い段階で制度を作ったのに、その後の慎重さによって動きづらくなっている国という見方に近いんです。
2025年2月|日本のような先進国では「使わざるを得ない理由」が弱い
2025年2月のFinanceFeedsインタビューで、Maksym氏は日本・カナダ・イギリスのような先進国と、アルゼンチンやベネズエラのような新興国を比較しています。
インフレや法定通貨への不安が強い国では、ステーブルコインや暗号資産を使う必要性が自然に生まれやすい。
一方、日本のように既存の金融が比較的機能している国では、同じ切迫感は生まれにくいという見方です。



確かに日本だと、「銀行が使えないから暗号資産が必要!」みたいな感覚はあまりないかも。
だからこそ日本では、「今ある金融より何が便利なのか」がより重要になるのかもしれません。
2025年7月|「税金だけではなく、承認の遅さが問題」
2025年7月のCointelegraphインタビューでは、日本についてさらに踏み込んでいます。
当時、日本では暗号資産の税率見直しが注目されていました。
でもMaksym CEOが大きな問題として挙げたのは、税率だけではありません。
FSA・JVCEAによる事前承認や、承認に時間がかかる慎重な仕組みそのものが、日本でWeb3を広げにくくしているのではないか。
という指摘です。
トークン上場やIEOでは、承認までに6〜12カ月以上かかることがあり、その間にも開発費や運営費はかかります。
結果として、日本のプロジェクトが先に海外へ出てしまうケースにつながるという見方です。
また、日本だけでなくシンガポール・UAE・韓国とも比較し、「規制が厳しいこと」と「進む道筋が見えないこと」は別という点も指摘しています。
日本|承認まで長く、事前承認の負担が大きい
シンガポール|厳格だが、進む道筋は比較的明確
UAE|日本よりスピードが速い
韓国|継続的な取引所義務を重視し、上場処理が比較的速い
WeFi公式もこのインタビューを紹介する際、Maksym CEOが日本市場での経験を踏まえて語っていると説明しています。
2025年8月|日本だけをテーマに、改革案まで書いていた
翌8月には、インタビューではなくMaksym CEO本人がCryptoSlateへ寄稿しています。
日本は暗号資産に遅れていた国ではない。
むしろ、かなり早くルールを作った国だった。
Maksym氏は、日本が2017年には暗号資産を決済手段として認め、世界でも早い段階で規制インフラを作ったことを評価しています。
問題は「何もしなかったこと」ではなく、
早く動いたのに、その後の慎重すぎる制度運用によって、せっかくの先行優位を失いかねない。
という点です。
さらにMaksym氏は「日本は遅い」で終わらず、どう変えればいいのかまで提案しています。
① 事前承認中心から、一定条件を満たした後に監査する仕組みへ
② ステーキングやガバナンスなどを実際に試せるサンドボックス
③ セキュリティ基準を満たすWeb3企業への資金支援
④ Web3の創業者を政策づくりへ参加させる
ここまで読むと、Maksym氏が言っているのは「規制をなくそう」ではありません。
投資家保護は残す。
でも、新しいサービスが動けるスピードも上げる。
その両方が必要ではないか、という考え方です。
そして11月、日本へ実際に来た
こうして並べると、2025年11月の来日セミナーの見え方も変わります。
2月には、国によって暗号資産を必要とする理由が違うと語る。
7月には、日本の税率より承認プロセスの遅さを問題視。
8月には、日本だけをテーマに改革案まで出す。
そして11月、実際に日本へ来ています。
来日して初めて日本について考えたわけではなかった。
その前から日本市場を見て、課題を発信したうえでの来日だったんですね。
日本にはすでにWeFiコミュニティがある
Maksym CEOは2025年のWeFiコミュニティについて、世界の数十カ国で15万人規模に達したと発信しました。
その中で使われていたのが、
「Argentina to Japan」
アルゼンチンから日本まで。
という表現です。
これだけで日本が最重要市場という意味にはなりません。
ただ、日本にWeFiコミュニティが存在することをWeFi側も認識していることは分かります。
金融サービスとして日本へ本格的に入るハードルは高い。一方で、ユーザーコミュニティはすでにある。
この2つが同時に存在しているのが、今の日本の面白いところです。
2026年|Visaとの展開で「Asia」が正式に出てきた
そして2026年。
日本の今後を考えるうえで気になる発表が、WeFiとVisaによるオンチェーン決済分野での協業です。
WeFiは最初に展開を進める地域として、
Europe
Asia
Latin America
を挙げています。
そして、地域ごとの規制に合わせて地域ごとに展開するという考え方も示しています。
2025年の大阪で語られていた「ヨーロッパの次にアジア」と、かなりつながって見えます。



じゃあAsiaに入ってるなら、日本ももうすぐってこと?



そこはまだ別だね。「Asiaで展開する」と「日本で正式サービス開始」は同じ意味じゃないよ。
今のWeFiを実際に見てみたい方へ
来日セミナーのころから約1年。今のWeFiがどんなサービスになっているのか気になった方は、実際のWeFiも見てみてください。
WeFiの世界を、実際に見てみる
ここまで読んで「こんな金融の形もあるんだ」と気になったら、
次はWeFi公式サイトから、実際のWeFiを見てみてください。
※ボタンをクリックするとWeFi公式ページへ移動します。
※Deone Lifeの紹介リンクです。
2026年10月現在|WeFiは日本で正式展開している?
では、一番知りたいところです。
現時点では、「日本で正式に金融サービスを開始した」というWeFiからの発表は確認できません。
日本の具体的な銀行や金融事業者と組んで、日本版Deoneを開始するといった発表も確認できません。
また、金融庁が公開している2026年9月1日現在の暗号資産交換業者登録一覧にも、「WeFi」という名称は確認できません。
ただし、現在のWeFiは、自分自身を銀行そのものとして説明しているわけではありません。
✔ WeFi自身は銀行ではない
✔ ブロックチェーンを使った金融インフラを提供する
✔ 規制された金融事業者を通じて金融サービスへつなげる
そのため、日本で本格的に金融機能を広げるとしたら、
WeFiがそのまま日本で「銀行になる」
というより、
日本の制度に対応できる金融事業者やパートナーと接続し、WeFiのインフラを使う
という形の方が、現在のWeFiのモデルには近そうです。
2025年の東京セミナー参加者レポートに残る「日本で法定通貨を扱うには銀行や企業を通した展開が必要」という趣旨の話ともつながります。


日本側も2026年に動き始めている
もうひとつ気になるのが、WeFiだけでなく日本側の制度も動いていることです。
2026年6月|新しい暗号資産サービス仲介制度がスタート
2026年6月1日、日本で「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」という新しい制度が始まりました。
登録を受けた事業者が、暗号資産交換業者などから委託を受けて、暗号資産の売買・交換などを仲介できる仕組みです。
これはWeFiのために作られた制度ではありませんが、日本のデジタル金融を取り巻く仕組み自体が変化していることは分かります。
2026年9月|金融庁が「オンチェーン金融フォーラム」を立ち上げ
さらに2026年9月、金融庁は「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」を立ち上げました。
テーマのひとつは、ブロックチェーン技術を基盤とする「オンチェーン金融」の社会実装です。



オンチェーン金融って……最近WeFiが前面に出してる言葉とかなり近いね。



テーマとしては近いね。ただ、金融庁のフォーラムとWeFiに直接関係があるって話ではないよ。
金融庁がWeFiについて何か発表したわけではありません。
それでも、日本側でも暗号資産サービスの仲介やオンチェーン金融の社会実装について、制度や議論が動き始めている。
これから日本で新しい金融インフラがどう広がるのかを見るうえで、かなり気になる変化です。
まとめ|日本をここまで見ていたとは、あのころの私は知らなかった
2025年11月、WeFiの経営陣は東京・大阪・福岡を訪れました。
私たちは梅田のセミナーへ行ける機会があったのに、結局ふたりとも行きませんでした。
私はまだWeFiへの興味が薄く、しょーへいはZoomでもMaksymさんの話を聞いていたからです。



今思うと、行っとけばよかった!(笑)
でも今回調べて、一番意外だったのはセミナーそのものだけではありませんでした。
Maksym CEOは来日前から、日本についてかなり具体的に見ていた。
日本は暗号資産への対応が遅かった国ではなく、早く制度を作ったからこそ、その後の慎重さが新しいサービスのスピードを落としている。
だから「規制をなくす」ではなく、投資家を守りながら動ける市場へという提案につながっていました。
日本での本格展開は、まだ完成した話ではない。
でも「日本を見ていない」のとも、かなり違う。
日本の金融事業者との提携が出るのか。
Deoneや決済サービスが日本でどうつながるのか。
VisaとのAsia展開の中に、日本が入ってくるのか。
次に日本について大きな動きが出たときは、今度こそ見逃さず追っていきたいと思います。
KYCで「アメリカ合衆国」だけ別に表示される理由を調べると、国籍ではなく「U.S. Person」という考え方につながりました。WeFiが地域ごとにサービスを展開する理由をもう少し知りたい方はこちらもどうぞ。


主な確認資料
この記事では、Maksym CEO本人の発言・寄稿、WeFi公式発表、金融庁資料、来日セミナー参加者レポートを中心に確認しました。気になる資料は、以下から直接確認できます。
- 2025年11月 WeFi来日セミナー参加者レポート|東京・大阪・福岡
- FinanceFeeds|Maksym Sakharovインタビュー(2025年2月10日)
- Maksym CEOの日本市場への問題提起|Cointelegraphインタビュー(2025年7月26日)・CryptoSlate本人寄稿(2025年8月10日)
- Maksym Sakharov|2025年WeFiコミュニティ15万人「Argentina to Japan」
- WeFi公式|WeFi × Visa:Europe・Asia・Latin Americaから地域別展開
- 金融庁|暗号資産交換業者登録一覧・電子決済手段・暗号資産サービス仲介業・AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム










